
一般的に駅などで配られるフリーペーパーは、興味深い記事だけを拾い読みされ、しかるのちに破棄される運命にあります。出版社側でもそれを見越して、短時間で読み切れるコンパクトな記事を列挙します。駅で拾われ、いくつかの駅をまたいで、再び駅で捨てられる。いわば駅間の移動の暇つぶしの道具です。
しかし、出版する側としては、丹精込めて育てた我が子が駅から駅へであっさり読み捨てられてしまうのはしのびないものです。ぜひとも家までついてゆき、書棚の一角に席を占めてくれたらと思います。また、のちのちの世まで生き残り、過去の日本の文化を伝える資料としての役割でも果たしてくれたら、などと贅沢なことも思います。
この『旅スイッチ』は、そんな我々の想いから誕生しました。
確かに頁数はさして多くはありません。しかし、やすやすとは捨てられない重量感を込めたつもりです。何とかして鞄のなかに収まり、家まで同行してみせましょう。そして、紙ごみの日の分別にも勝ち残り、書棚の一角に席を占めてみせましょう。
是非、ご一読あれ。
